薄毛の原因として一番広く言われ、またもっともらしいのが「遺伝」です。確かに実際薄毛の人の子供も薄毛になることは多いですし、親戚一同みんな薄毛…なんていう人もいます。
実際、薄毛になることに遺伝や遺伝子が関係あるのは事実です。ですが、中には特別変異かのように「自分だけ薄毛(にならない場合もある)」というケースも。すべて遺伝ということではないのです。
近年女性にも増えている薄毛は、女性は薄毛の遺伝子は劣性で遺伝するとも言われているため遺伝子が原因であると言うには少し無理があります。にも関わらず女性の薄毛が増えているのは遺伝子に関係なく、薄毛が起きる可能性があると言う事を証明しているかのようにも思えます。
次に、直接的に薄毛を起こす原因として「男性ホルモン」があります。
これは髪の毛を「脱毛させますよ!」と言う信号を出すのが、男性ホルモンのテストステロンと還元酵素である5αリダクターゼが結合することで発生したジヒドロテストステロンだからです。
ジヒドロテストステロンが過剰に働いてしまうと、「脱毛!脱毛!!もっと脱毛!」…と本来成長途中であった髪の毛にまで無理矢理脱毛しろと言う指示が出てしまうため、薄毛になってしまいます。この男性ホルモンの受容体は頭頂部や額の生え際にあるため、M字や頭頂部に薄毛になってしまう人が多いのです。
また、この男性ホルモンは女性の体内でも微量ではありますが分泌されているため、ホルモンのバランスが崩れると女性も男性ホルモンの影響で薄毛になる事はあります。しかしこのジヒドロテストステロン、男の子の性器の発達や筋肉の成長にも関わっており、無くてはならないホルモンのためなかなか一筋縄ではいかないのが現状です。
そして、実はこれも大きな原因となっているのに見過ごしがちなのが、「生活習慣や食事」です。
「髪の毛は血余とも呼ばれ、健康な髪を作るには栄養たっぷりの質の良い血が必要」と言う事は他の項目でもお話しましたが、農業だって作る人がきちんと手塩にかけて努力を惜しまずこつこつと働き、さらにはその農作物を育てる土地の状態や肥料などにも気を遣わなければ美味しいものは作れないですよね。そして、まず何よりも「種
。種がないところから農作物を産み出せる人はいません。
髪の毛だって毛乳頭や毛包と言った髪の毛を作る細胞がきちんとこつこつ働き、土地である頭皮の環境を整える事は重要ですが、まずは髪の毛の種となる栄養が血に乗って髪の毛を作る細胞に運ばれて来なければどんなに環境を整えても髪の毛を作る事は出来ないのです。
また、髪の毛を作ろうという信号は成長ホルモンによって出されるのですが、この成長ホルモンは寝ている時や空腹時によく発信されます。
時間を決めて適度に栄養バランスの良い食事を摂り、しっかりと睡眠をとるように心がけるだけでも育毛効果は十分に期待出来ます。高い育毛剤や治療薬に手を出す前に、一度自分の生活を見直してみるのも良いかもしれません。
上記の生活週間と少し重複する部分もありますが、改めてお伝えしたい薄毛の原因の最後は「ストレス」です。今、このストレスが原因となる薄毛も非常に増えています。
実は、ストレスと言うのはすべてが悪いものではありません。一時的にストレスを感じることによって成長ホルモンの分泌が促されることなどもわかっているのですが、危険なのは慢性的な強いストレス。
慢性的に強いストレスを感じていると自律神経が乱れはじめ、ホルモンの分泌量もおかしくなります。すると免疫力が低下したり動脈硬化を引き起こしてしまったり、性ホルモンの分泌量のバランスが崩れるなど色々なトラブルが発生します。
自律神経は内臓の働きや血管の働きに作用しているため、自律神経が乱れるだけでも血行不良や消化不全、睡眠障害など髪の毛を作るのに重要なポイントを悪い方へと変えてしまいます。また性ホルモンの分泌量がおかしくなることで、無月経や勃起不全など直接的なトラブルが起きるだけでなく、ホルモンバランスの乱れによる薄毛を引き起こす事もあります。